ベルウェザー・レーンの家
ほのぼのミステリー · 大人 · 全8話
母の死をきっかけに、マーラ・ヴェイルは何年も前に離れた家族の家へ戻る。遺言で託された鍵は、家族の資料館が焼けた夜に溺れ死んだとされる妹ノラの手がかりへとつながっていた。マーラが謎を追うにつれ、きょうだいたちはそれぞれ、家を失うかもしれない代償を払ってでも、どこまで真実に向き合えるのかを問われる。
全エピソード
Nの刻まれた鍵
母の葬儀の日、23年ぶりにベルウェザー通りの家へ戻ったマーラは、Nと刻まれた小さな真鍮の鍵を手渡されます。遺言は三十日間は家を売らないよう告げ、滞った請求書と古い哀しみが姉妹の間に立ちはだかります。鍵が開けた引き出しの目録には、誰にも説明できない一行が残されていました。静かな雨の夜に寄り添う、大人のためのコージー・ミステリーです。
朝のバス
母の家を片づけていたマーラは、妹ノラが姿を消した翌日の日付が入った青いバスの切符を見つけます。かつての駅舎は郷土資料室になっており、そこで働くレオ・レイエスが、古い写真の日付を記録と照らし合わせるのを手伝ってくれます。母も生前、同じ日付を確かめに訪ねていたと知らされます。長く信じられてきた家族の話が揺らぎはじめるなか、姉妹はそれぞれの後悔と静かに向き合っていきます。
自白
母ルースの書類を整理していたマーラとエイダは、記録保管庫の火事をめぐる古い署名入りの自白書を手渡される。だが、それが見つかった経緯はどうにも噛み合わない。『自白』は、家族への信頼と一枚の紙が語る事実のあいだで揺れる姉妹の物語。
サイモンが燃やしたもの
静かな台所で、マーラとエイダは古い自白書の下から見つかった消された文字について、兄サイモンに問いただします。資料庫が燃えた夜について語られる言葉は、家族が信じてきたものを揺るがし、焼け跡の敷居の下を探す一日へとつながっていきます。
家の下の土地
マーラ、エイダ、レオ、サイモンは掘り出された封印入りの筒をいっしょに開け、受取証と食い違う信託の帳簿を見つけます。折りたたまれた地図、古い手紙、ルースが残した銀行の控えが、書庫の火事と消えたお金をめぐる問いをよみがえらせます。誰も一人では持ち出さないと決めて、記録をたどる夜が始まります。
彼女のものではない名前
マーラとレオが古い信託書類を引退した会計士のもとへ持ち込むと、符号だった頭文字が思いがけない名前、ニナ・ヴォスとして浮かび上がります。出されなかったカードと印刷された出展者名簿のあいだで、この記録が何を証明し、何を証明しないのかを見極めていきます。
留守番電話の声
マーラとレオは、録音された留守電のメッセージを手に陶芸工房を訪ねます。その声を知る人がいるかもしれないからです。そこで分かったことは、行方不明の妹と、レオの父が罪を負わされた火事をめぐる問いを再び開きます。証拠と忍耐、そして家族をめぐる静かな物語。
裁縫箱
母が遺した裁縫箱を前に、エイダは、溺れて死んだはずの女性の最近の写真を隠していたと姉妹のマーラに打ち明ける。糸とはさみの下から出てきたのは、一通の封筒と古い録音だった。二人は、父の名を取り戻そうとするレオとともに、見つけたものを記録しながら、長く閉じられてきた家族の過去と向き合っていく。
家を出た妹
私たちが守るもの